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セルフビルドで家を建てる

きこり夫婦のセルフビルド 第二歩「運命のワークショップ」

夫・ばたです。

48歳を目前に重い腰をあげてはじめたブログ。前回がセルフビルドにめざめたキッカケなら、今回は「素人でもほんまにできるかも!?」と思わせてくれたワークショップについて。興味のある方はもちろん、ピンとこない方もどうぞお付き合いください。

前代未聞のワークショップと、運命の出会い

人生を大きく変えた「いえづくり教習所」

~2015年のこと~

「二十歳になったら 家をつくろう」

SNSのタイムライン上を流してた僕の眼は、飛び込んできたその言葉に釘付けになった。

「大人になったら自動車教習所に通ってクルマに乗るように、二十歳になったら『いえづくり教習所』に通って、家をつくれるようになればおもしろいよね!」との着想から、高知市に事務所を構える一級建築士が「所長」となり、一般から参加者を募ってワークショップを開催するという内容だった。

「自分で伐った木で、家を建てるぞ!」と決心したのはいいものの、冷静に考えてみると、自分の建築に関する知識が皆無であることにはたと気付き、すっかり途方に暮れていたのだ。なにかを始めなければ、なにも進まないことだけは分かっていても、なにから手を付けるべきなのかも判断がつかず、結局なにも手につかない…。

そんなタイミングで巡り合ったこのワークショップの知らせに、「自分の現状を打破するのはコレやー!」と、それはもう反射的に参加を即決したのだった。

しかし、その投稿をよく見てみると「予告」とあり、募集はもうちょっと先の事になるとのこと。その後しばらくは、パソコンを開いては、まだかまだかと正式リリースを待ち焦がれる日々を過ごすことになる…。

ついに!参加者募集開始!

そんなある日、ホームページ上に「募集開始」のテキストを発見!迷っている間に「ちょいと遅かったね。定員に達したので、また来年よろしく~」・・・なんてことになったら、その後の一年をどう過ごせばいいものか、それこそ途方に暮れることになりそうなので、受講料などの詳細を確認するのももどかしく、文字通り即刻申し込んだ。のちに所長から聞いた話では、なんと「参加申し込み第1号」だったそうだ。

申し込みを済ませて一息つき、ようやく「いえづくり教習所」なるものの全貌をつかむべく、じっくりとチェックしてみた。

法規を含めた、建築の基本の基本を勉強する「座学」と、在来軸組工法で家を建てるため、木材を組み上げて家を建てるため「継手」や「仕口」と呼ばれる加工法を練習をする「実技」を中心に、一か月間泊まり込みで合宿免許のごとくみっちり学べるという、ワクワクのとまらない内容。自分のなかで期待がブワァーッと確信へと変わっていく。「所長」から受講に必要とアナウンスされた大工道具をすぐに買い揃え、「いえづくり教習所」の開催をまたも待ち焦がれたのだった…。

「ヘンタイ」たちの集い

ようやく迎えた「いえづくり教習所」初日!

長期滞在のため着替えや作業着などで、ぱんぱんに膨れたバックパックを背負い、サイドバックに大工道具を詰め込んだバイクを走らせ、一路集合場所へ。

座学を学ぶ会場であり、宿泊所にもなる「ぶんたんハウス」は、高知県東部の海辺の集落にあった。

そこには、北は北海道から南は地元・高知、年齢も20代から60代と幅広い構成の男12名・女5名の面々が続々と集結して来ていた。参加者は皆、丸一ヵ月という長期にわたり仕事を休み、安くはない金額の講習料を支払ってここにいる。自分のことはさて置き「大の大人」には、なかなかできることではない。多種多様な障壁を蹴散らして集まった参加者の面々に、俄然興味が湧いてきた。


「前例のないユニークなイベントの『初回』に食いつくのは、ユニークな『ヘンタイ』たち。自らのアンテナに引っかかるイベントの『初回』には、迷わず行くべし」

これは、いえづくりに限らない、今回の大きな学びだった。ワークショップの内容はもちろん、そんな仲間と一緒に学ぶことががおもしろくない訳がない。

そんな個性豊かな「ヘンタイ」達の一人に、「いえづくり教習所」の情報を長期滞在中のカナダで知り、「ニワトリ小屋をDIYするスキルを身に着けたい!」と、急遽帰国し参加した女性がいた。

のちに妻となる、セイカとの出逢いである。

語りつくすことなんてできっこない、濃密なひと月

しかし、セイカとは出逢いはしたものの、「いえづくり教習所」期間中は、ほぼ言葉を交わすこともなかった。班分けされた別のグループで行動し、自分のグループではなぜかリーダーを務めることになり、毎日まいにち脳ミソと身体をフル回転させて、来たるマイホーム・セルフビルドに役立つすべてのことを貪欲に全力で吸収した。

所長もサポートスタッフも参加者も、みなさんユニークで魅力的で、刺激を受けまくりの日々…

週末には一転、所長の段取りで美味しいBBQを味わったり、高知名物・本場「よさこい祭り」を見学しに行ったり、合宿所の近所で上がる花火大会を観に行ったり…、細かな想い出を書き始めると、「コレ、なんのハナシやった??」となってしまいそうなので(バッサリ中略)

・・・とにかくめちゃめちゃ楽しく、濃密な時間を過ごすことができた1か月は、まさに「あっ」という間に容赦なく過ぎ去っていき、そんな中、セルフビルドへの確かな手ごたえを掴むことができた僕は、ともに学び、全力で楽しんだ仲間たちともしばしのお別れをして、帰路についたのだった…。

濃密な時間をともにした「いえづくり教習所」第一期生と所長&サポートスタッフ

所長の大いなる野望(と、ハマっちゃったひとたち)

「いえづくり教習所」の表立った目的として、

・自分で家を建てることによる自立を促す

・災害時にも役立つスキルを身に着ける

・大工としての就業支援

などなどがあったわけだが、実は「裏の目的」が存在していたのだ。

所長の思惑としては、単なる建物としての「いえ」だけではなく、長期間ともに学び、一緒に作業をする中で、参加者同士がカップルに、あわよくば家族となり、大きな意味での「いえ」をつくって欲しいというもので、なんと「少子化問題」も視野に入れていたものだったのである。

かく言うわが家は、この機会がなければ100%間違いなく一生接点のなかったであろうセイカと結婚し、いまでは子どもも2人加わって立派な「いえ」となった。

まんまと所長の手のひらの中で踊ったことにはなるが、この「いえづくり教習所」への参加は、人生を変えた実に大きな転機であったといえる。

所長、ハメてくれて本当にありがとうございました!

…そして、もう一人。

この場を借りてお礼を言いたい人がいる。それは、かのインフルエンサー・イケハヤさんなのである。

関係のないようだが、所長が「いえづくり教習所」の開催を思いついて相談したとき、背中を押したのはまぎれもなくイケハヤさん、その人であったとのこと。イケハヤさん、おもしろがってくれて本当にありがとう!

と、そんな経験を通じて、いま思うこと。

わが家のセルフビルドは、家の柱や壁、床になってもらう木を伐って、製材し、天日・雨ざらしで乾燥をする「天然乾燥」の最中で、ここまでは夫婦2人だけでやってきた。そして、これからマイホーム・セルフビルドを進める中で「自分も関わってくれる人たちの『きっかけ』をつくれるような事をしたいなぁ。」とも考えている。

所長曰く、「家を建てるうえでは、三回建てて、初めて自分にとって必要なことがわかる」とのこと。

まずは「初回」。

一家総出で、おおいに楽しむぞー!