こんにちは!夫婦で林業を営む、セイカ(@seyca_ktd)です。
かかり木という状況に陥ると、絶望的な気持ちになるのは、きっと私だけではないはず。
かかり木の処理って時間もかかるし、すんなり倒れていたら生産性がもっとよくなったのに…とか思うと、ついつい焦ってしまう方もいますよね。
まあそれが事故につながってしまうんですが…。
ということで、今回の記事では、林業現場でよくある「かかり木」の状態になったときに役立つ、かかり木処理の道具をご紹介していきます。
私はまだまだ素人ですが、林業8年目の夫が実際に使っており現場でベーシックな「これは便利で役立つ!」というアイテムを集めました。
参入してばかりの林業従事者の方の参考になれば嬉しいです。
Contents
そもそも「かかり木」とは
林業をはじめたばかり、あるいは林業はじめる前の方で「かかり木」について知らない方のためにご説明しておきます。
私の拙いイラストで申し訳ないですが、木を伐倒したときに、イラストのように木が倒れ切らず、立っている木にもたれかかるような状況のことを「かかり木」といいます。
いつ倒れるかわからない状態のため、放置するなんてもってのほか!
その場で適切に処理することが必要となります。
しかし、このかかり木処理は林業現場において危険作業のひとつとされており、かかり木処理のために便利な道具があるかどうかでも処理にかける時間や体力の消耗度はもちろん、作業の安全度も変わってきますので、是非参考にしてみてください。
林業現場で役立つ!かかり木処理に便利な道具5選
1.フェリングレバー
別名「木まわし」とも呼ばれ、その名の通りかかった木を回すことにより、「かかり木」の状態を解消する道具です。
大きい道具なので携帯性は悪いですが、混み合った森での間伐作業の場合は必ず持って行きます。
このフェリングレバー、かかり木の解消だけでなく、伐木の際にもくさびの代わりに追い口に突っ込んで「てこの原理」を使って木を倒すこともできたりと、使いこなすとかなり便利な道具でもあります。
2.木廻しベルト
ベルトの木まわしもあります。ハンドリングする棒は現地調達する必要がありますが、携帯性は抜群!
3.レバーホイスト(レバーブロック)
木まわしで頑張ってもどうにも倒れてくれない時には、こいつの出番です!
次に紹介するベルトスリングとワイヤーを使ってかかり木を処理します。
牽引荷重1トンの頼りになるヤツ。
4.ベルトスリング・玉掛けワイヤー
レバーホイストを使用する場合には、山に残す立木からかかり木を引っ張ることがあります。
その場合には傷になりにくい繊維製の「ベルトスリング」を立木に巻きましょう。
玉掛けワイヤーも必須道具です。
5.ロープ牽引システム(ロープ・プーリー・カラビナ・ナイロンスリング)
アイテム数は増えますが…。
かかり木にロープをかけて、木を倒す方向の立木にカラビナでつけたスリングで固定したプーリー(滑車)を介して折り返し、安全な場所から牽引するのが基本です。
いざというときは「チルホール」
重量もあって設置も大変なので(特に妻・セイカにとっては)、基本的には上記で紹介した道具を活用しますが、ここぞというときには「チルホール」も活用します。
林業はじめて最初の現場が、支障木伐採で狙った場所に木を倒さないといけなくてチルホールの出番があったのですが、重たすぎて泣いたよ(笑)
まずは使い方に慣れた方に教わりながら使うのがおすすめです。
かかり木処理は決して無理はしない!
浴びせ倒し、元玉切りなどなど、かかり木処理において、行うと危険な行為というのがまとめられています。
参照先:かかり木処理作業の安全/林災防
これらはこういった行為によって死亡災害に繋がるなど、実際に事故率が高かったことから、危険行為として指定されていたりします。事故の原因の多くは「油断」や「過信」であることも合わせて常に念頭に置いておきたいところ。
どうしてもかかり木処理が自分ではできないと感じた時には、危険な範囲を第三者にも知らせる措置を取った上で、慣れている熟練者を呼ぶなどして、しっかりと安全にかかり木処理を行うことを意識したいですね。
ということで、この記事がかかり木処理道具を選ぶ際の参考になればうれしいです。
それでは今回はこれにて。ではまた!