「林業」って言葉は知っているけど、一体どんな仕事をしているの?
そんな方に向けて、林業をナリワイにしている私たち夫婦が「林業という仕事」をご紹介していきます!
林業に就いて事あるごとに感じるのが「林業って知られてないなー…」ってこと。とても魅力的な仕事なので、ぜひ最後まで見てくださいね。新規参入者、大歓迎です!
林業は循環型産業
私たち夫婦が林業という仕事をしながら暮らせているのも、それもこれもすべては木を植えてくれた人たちがいてくれたからこそ。
「林業」は森ではたらく仕事ということにはまちがいないのですが、一言に林業とまとめても、その中には多様な仕事が含まれています。
私たちが行なっているのは、木を切って、運んで、市場に出荷するという「素材生産」という仕事をメインで行なっています。
しかし、木を切って売るだけでは、山から木が減る一方。
そこで最近では、木を植えて育てる「造林」「育林」という仕事も少しずつ始めています。
植えた木があって、適期に木を切り、木を使い、さらに木を植える。
その循環こそが、林業という仕事なのです。
林業の仕事のスケジュール〜とある1日〜
まずは、木を切ったり、市場へ出荷したりする「素材生産」の仕事のとある1日からご紹介していきます。
女性でもできることがたくさんあるよ!夫婦での働き方はこんな感じ!
9:00 仕事開始(子どもたちを保育所に送ってから山に行くのでこの時間に。人によっては夏は6時に山に着いて仕事を始め、14時には引き上げる、というような働き方を自由に設定できるのもうれしいところ。)
作業は夫が伐倒係、重機があるときは妻が重機でけん引など。
伐倒後、枝をすべてチェーンソーで切り落とす「枝払い」と、丸太を商品としてより高く売れるように仕上げる「造材」という作業をします。
10:30 休憩
11:00 作業再開
12:00 昼食休憩
12:30 作業再開
現場によっては、伐倒した木を「土場」と呼ばれる場所に集めておいて、まとめて造材することもあります。
14:00 休憩
14:30 作業再開
16:00 片付け
16:30 作業終了
とまあ、こんな感じ。市場に丸太を出荷する日はダンプを借りていて、いかに多く往復できるかが利益に直結するので、一人は土場で造材してすぐ積み込めるようにしつつ、一人ははひたすらダンプで運搬したりと、日々考えながらやっています!
いやー、本当に市場に丸太を持っていくときはハードよね(主にダンプの運転担当)。もちろん安全運転は心がけているけど、常にドキドキしながら過ごす日でもある!
1年中、林業ってできるの?
農業だと時期を見ながら、種まき、育成、収穫…という流れになりますが、さて、それでは林業はどうなんだろうと気になりますよね。
結論から言うと、林業も1年中できます。
しかし、林業と一言に行っても、さまざまな作業があり、スケジュール紹介をした作業内容の「素材生産」の場合、避けた方が良い時期もあります。
「間伐(かんばつ)」と呼ばれる山の手入れの仕方の場合は、特に気を付けています。
この間伐というのは、残す木を大きく育てるための作業で、畑でいうと「間引き」と同じことなので、間伐作業によって残す木に傷を与えて、そこから腐れが入る…なんてことをしてしまえば本末転倒となるわけで、それに適した時期「伐り旬」というものがあります。
私たち夫婦は、間伐をメインに作業をしているため、基本的には盆過ぎから翌年4月初旬までだけ、木を伐る仕事をしています。
それ以外の時期には、季節労働として全く別の仕事をしたり、林業関連でいうと、苗木の植え付け(植林)や、植え付けした苗木周りの下草刈り(下刈り)、森林資源調査のお手伝いなどを行なっています。
皆伐といって全部切る場合は残す木のことを考えなくてもよかったりするので、時期関係なく作業することができ、それぞれメリット、デメリットがあります。
ズバリ林業の魅力は?
林業をしていると、これはよく聞かれる質問のひとつでもあります。
自分がやった作業によって風景が作られ、ひいては人間やすべての生物が生きていく上で大切な空気や水を育む一助になることができる。「めちゃめちゃやりがいがあるなぁ」と日々感じてます。
それ以外にも、自分の信じる森づくりを実現すべく作業をして、その想いが後世に引き継がれてこともあったり(…なかったり)、他の仕事ではなかなか感じることのないスケール感…。
林業にのめりこんで山のことを考え始めると、勉強しても更にわからないことが出てくる「林業沼」にハマります…。それがまた楽しいのです。
あとは単純に身体を動かすのってやっぱり気持ちがいい!デスクワークだと運動しなきゃ…とか思うけど、どれだけ食べても罪悪感ないです(笑)
YouTuberでもある木こり夫婦からのお願い
林業という仕事が衰退傾向にある原因の一つとして、「危険な仕事」というイメージであったり、収入が低いというのもありますが、なによりも「一般認知度の低さ」が大きな問題だと考えてます。
実際、妻・セイカも滋賀県の南部出身で、まわりは山林に囲まれていたはずですが、「林業しています!」という大人には出会ったことがないし、今暮らしている高知県本山町のように丸太を積んで走るトラックだって一度たりとも見たことがありません。
そんな仕事があると知ったのは、小学生くらいからですが、それでも接点もない仕事だったので、林業の「り」の字も知らないまま育ち、大人になり、夫と出会ってから「林業」という仕事の具体的な内容を知りました。
そして、知れば知るほど、この産業の重要性を知り、日本にある環境資源を持続的に活かすには、林業という仕事は大きな役割を持っているのに、なかなか認知されていないという現実にぶち当たります。
そこで、私たち夫婦はYouTubeという手段を使って、林業という仕事を「みえる化」していった結果、実際にその動画を通じて関心を持っていただけた方も多く、中には私たちの暮らす町で林業がやりたいと移住をしてきてくださった方も。
どんなことにおいても、知らなければ、選択肢に入ることはありません。
そこで、子どもでも大人でも、なるべくわかりやすいようにと心がけて作った、林業がわかる動画を作ってみました。
ぜひ親子でみてみてくださいね。
学校の教材として活用いただくのも大歓迎です!その場合はこちらも把握できると嬉しいので、お問い合わせフォーム等からご一報いただけるとありがたいです。
他にも、林業にまつわる講演依頼(夫婦または夫のみ)や学校等でのワークショップも積極的にお受けしたいと考えておりますので、お気軽にご相談ください。