「チェーンソーの刃が切れない!」
これは大変危険であり、作業性も落ちるので、効率も悪くなってしまいます。
また闇雲に刃を研いでも、どういう刃の形にすれば切れる刃になる、ということを知らないと、刃がどんどん小さくなって買い替えなくてはいけないことにもなるので、ここでしっかり予習してから行うようにしてください。
そこで今回はテキストでもわかるように、丁寧に目立ての方法を説明していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
YouTube「セイカの暮らし便り」という、私たち夫婦で運営しているチャンネルでも徹底解説していますので、よろしければこちらもチェックしてみてくださいね。
Contents
チェーンソーの目立て前に見ておくポイント2つ
①刃のダメージ、長さをチェック
ソーチェーンの刃の長さと、石や土、金物に当たった時などは刃がどうしても欠けてしまうので、そういったダメージをまず目視で確認しておきます。
②横刃の形をチェック
横刃の本来の形は「r」ですが、それが立ちすぎていても、横になりすぎていても切れる刃にはなりません。
そこで、横刃が適正な形かどうかも目立て前に確認をしておきましょう。
目立てをするときの3つのポイント
①ソーチェーンをしっかり固定して行う
チェーンソーのバーをしっかり固定しないと、きっちりした目立てを行うことは難しくなります。
そのため、それ専用の道具も販売されているので、自前のチェーンソーを持っている方はぜひ購入をおすすめします。
②ヤスリのサイズと当てる角度に気をつける
丸ヤスリのサイズと当てる角度も非常に大事なポイントです。
これもチェーンソーの刃によりますが、適正なものを選ぶようにしてください。
③デプスの調整を行う
赤丸で囲った部分が「デプス」と呼ばれる部分です!
画質荒くてごめんなさいね…
かんなの刃と台によく例えられますが、木材にあたって、どれだけ刃が当たるかによって切削の範囲が変わってくるので、このデプスの調整は本当に大事なのです。
さっそくチェーンソーの目立てをしてみる
まず、そもそもチェーンソーの刃の長さをみる時ってどこをみるかわかりますでしょうか?
そう、ここです。
ここの長さを揃えることを意識して、目立てをする必要があります。
ここで長さがバラバラの場合、刃が長いものしか仕事をしてくれなくなるので、それだけで切れ味が悪くなってしまいます…。
その理由もここで説明しておくと、以下の図をみてください。
横から見るとわかりやすいのですが、赤線が刃が当たるレベルです。
そこのレベルから、摩擦を減らすために「逃げ角」というものが作られています。
そのため、長さがバラバラだと赤線に接していない短い刃は、そもそも木材にあたることができないので、仕事ができなくなってしまうのです。
そのため、このイラストのような刃だと同じ回転数でも切れる刃が少ないがために、切るのも倍の時間がかかるわけです。
刃ってこんなに小さいのに、よくできてるんだねえ…
そのため、まずは目視でも、刃の長さを揃えていくように意識することが大事です!
「目視だとちょっと自信ないな…」という方には、長さを測るための道具もあり、安価に手に入れることができるので、一つ持っておくと安心できるでしょう。
デジタルノギスの使い方もとても簡単で、刃をノギスの先端で挟めば数値化してくれるので、どの刃を計測しても似通った数値にしていくように心がけてみてください。
目立てをするときには、短い刃は基本的には触らず、長い刃から目立てを行います。
数値化する人は、自分の中で平均値を決めておき、そこから前後何ミリまでは許容範囲!と決めておくと、目立てもしやすくなります。
ちなみに、夫は0.2mmまでは許容範囲としています。そのため、8.1mmで刃を揃えていく場合、7.9mm~8.3mmまではOKということに。
またさらに、切れる刃を作るためには、上から見た刃「上刃」の形、横から見た刃「横刃」の形、どちらも大事な要素となります。
上刃の角度はソーチェーンのメーカーによって異なるので、購入時の箱などに記載されているのでそれを参考に目立てをしてみてください。
一方、上刃は基準があるものの、横刃は自分で見極めて目立てを行う必要があります。
以下のイラストが横刃の理想的な形で、初心者の方はこの刃の形を目標に目立てを行うのがベストです。
このRの形の部分に丸ヤスリを当てて目立てを行います。
そのためには適正な径のヤスリを使う必要がありますが、「刃に当ててヤスリが1/5が上に出る」というのが基準とされています。
フック型の刃ができてしまった場合は、肘があがった状態で目立てを行なっていることが原因なので、肘を下げる意識で行うといいと思います。
逆にバックスロープ型の刃は、肘が下がった状態で目立てを行なってしまった場合にできる刃の形状なので、この形の刃ができてしまったら、肘をあげる意識で行いましょう。
前置きがかなり長くなりましたが、それではさっそく目立てをしていきます!
①クランプで固定
バーの先をクランプで固定します。
このときにソーチェーンの張りも適正にしておかないと、ゆるかった場合、ヤスリで力を入れた時にずれる可能性があるので、張りを適正にしておいてください。
②起点から一周削っていく
目立てをしていると、どこからやったか迷子になってしまうことがあるので、起点となる場所はまずマジックやチョーク等で印をつけておくと、重複して削るミスを避けることができます。
慣れてくると、刃の輝きで判断がつくようになります!
上刃を削るのに使用している目立ての便利&必須道具「アングルプレート」。
ヤスリはこれを使っています。
丸ヤスリは消耗品ですが、持ち手は使い回しができます!
③回転させて逆側からみた上刃も目立て
ぐるっと一周目立てができれば、次はチェーンソーを逆側に回して、逆側からも目立てを行います。
このときも先ほど同様に、起点を印しておくと、無駄に削ることが避けられます。
このときに、どちらかは力を入れてしまう側があると思うので、力が入りやすい方は目立て回数を減らすなどして、両側から同じように目立てができるよう心がけてみてください!
自分のクセを知った上で、目立てをすることが、切れる刃をつくるポイントになります!
④デプスの調整
ここまでくれば、あとはデプスの調整のみ!
しかし、このデプスは刃と違って、一度削るとどうにもできなくなってしまうので、慎重に調整を行なってください。
デプスゲージと平やすりを使い、ゲージから出ている部分を削るようにしていれば大丈夫です。
ただし、削る時に注意したいのは、削る回数はすべて同じようにしておいてくださいね。
私もまだまだ目立て見習いなので、こういう目立て道具はめちゃ助かるな…
「ヤスリは消耗品である」ことをお忘れなく…!
以上、初心者でもわかるように、目立てのやり方やおすすめ道具をご紹介しました。
最後に伝えたいことは、「ヤスリは消耗品である」ということ。
目立てしても切れない!という方のヤスリをみると、明らかに削れないヤスリを使っていることも…。
切れるように、時間をかけて目立てをしているにも関わらず、その道具が使い物になっていないのでは、本末転倒です。
ここはケチらずに、ちょっとでも削れていないなと思ったら買い替えを検討してください。
写真だけでは伝わらない部分もたくさんあるかと思うので、ぜひこちらもチェックしてみてくださいね。