「林業って女性でもできる?」と疑問に思いますが、それこそひと昔前の女性は夫婦で林業をしていた方も結構いらっしゃいました。
しかし、実際には体力もいる仕事だし、本当に大丈夫…?と林業に興味のある女性なら思うはず。
そこで、今回は夫婦で林業を営む私たちですが、嫁のセイカがあれこれ本音で綴っていきます!
「体力ないとできないでしょ?」
「山仕事ってトイレや生理はどうするの?」
など女性ならではの切り口で勝手にお答えしていきます!
Contents
女性って林業できるの?
ということで、今回は女性が林業をできるのか、林業歴半年ちょっとですが、そんなど素人目線も交えながら、本音炸裂でお伝えしていきます。
体力は必要
ずばり、林業において「体力」は必要不可欠。
ですが、「力」がいるのかというと、案外なくてもできる場面もあります。
というよりも、力がないけれど、どうやれば無理なく働くことができるかを考える方が賢明だと思います。
どういうことか簡単に説明しますね!
参照:【林業日記10】林業は「力」がすべてではないと感じた話。
実際、林業は「体力」が求められる部分も多くあります。
しかし、最近では高性能な林業機械も導入され、女性でもできる仕事が増えつつあります。
力が必要な場合でも、上記の参照記事にある通り「力学」を応用すれば、少ない力でも大きな力を使うことも可能な場合があります。
とはいえ、男性に比べ、やはり女性の方が筋力や体力的な部分が劣ることも多いので、適材適所で、柔軟に働ける職場との出会いも重要だと感じます。
私自身は、夫婦で働いているので、到底自分の体力ではできないことを求められた場合でも、すでに関係性ができているため、遠慮なく断ったりすることがありますが、どこかの事業体だと気を遣い、言葉にできないシチュエーションもおそらく出てくると思います。
そういったときに、働き方を考慮してくれる事業体だったり、自分の意欲をうまく活かして働かせてくれる事業体だと、比較的うまく馴染めるのではないかなと…!
林業って一言にまとめても、山の中で木を伐るだけではなく、いろいろな働き方がありますよね。
女性の強みを活かす
男性、女性で切り分けるのは、違和感を感じる部分もなくはないですが。
しかし、女性のほうが向いていることだってたくさんあるのです。
たとえば、機械操作は女性が向いている場合が多く、夫婦で林業をされている方の中には、男性がチェーンソーを持って動き回り、女性は重機を操作する…というパターンも多く見られます。
他にも、安全面をみても、完全に主観ではありますが、女性のほうがイヤーマフ、フェイスガード、チェーンソーブーツなど安全装備をしっかりしている印象があります。
そういう意味でも、女性は女性の持つ強みを活かして働くことができる業界だと思っています!
なんといっても、林業はやはり死のリスクが伴う、危険度も高い仕事です。
ですが、やりようによっては、そういった危険度も最低限のところまで減らすことができるのも事実。
その注意喚起はおそらく女性も十分にできることだし、安全に作業を進めることはなによりの効率化に繋がることなのです。
資格は誰でも取れる!
林業を始めるにおいて、さまざまな資格の取得の必要性や、受けておかないといけない講習会などがあります。
たとえば一例ですが、
- 伐木等の業務に係る特別教育
- 機械集材装置の運転業務に係る特別教育
- 小型移動式クレーン運転技能講習
- 車両系建設機械(整地等)運転技能講習
- 刈払機取扱作業者安全衛生教育
- 玉掛け技能講習
などなど…。
これは本当に数あるうちの一部にしか過ぎません。
またどんな作業をするかによって、さらに取るべき資格や受けるべき講習会の内容が変わってきます。
素人が一から林業をはじめようと思うと、まずはこの資格取得からはじまります。
事業体に加入すれば受けさせてもらえるところもあるかもしれませんが、個人で取るとなると、結構ハードルが高いものです。
私の暮らす高知県は、県が林業に力をいれていることもあり、高知県林業労働力確保支援センターが、林業をはじめたい方向けに、資格講習を無償〜格安で受講させてくれます。
高知県で林業したい方は要チェック!
林業現場でトイレや生理はどうするの?
そして、女性なら気になるこの問題。
おしっこ、うんちの場合はこうする!
よっぽど現場に多くの人がいなければ、恥を捨てて、そのへんでやるしかありません。
とはいえ、私の場合、周囲にも「トイレ行ってきます!」と一言かけて、こちらに来ないでくださいねオーラを出しておきます(笑)
基本的には夫婦のみなので、あまり気を遣うことはありませんが、時々別の方が入っていることもあるので、そういった場合には、なるべく見えない場所に隠れて、用を済ませています。
生理の場合はこうする!
朝出かけるギリギリに生理用ナプキンを交換しています。
それも、なるべく吸収力のある夜用ナプキンなどを使っています。
1日交換しないと被れたり、かゆくなりそうな気もしますが、今のところ、なんとか乗り切っています。
どこかでトイレに行けそうなタイミングがあれば、迷わず交換!
ですが、生理のときは、女性の身体には想像以上の負担がかかっているため、よっぽど休めない環境でない限り、率先して休んでいいと思っています。
いやー、それにしてもみんな生理のとき、どうしてるんだろう…。
林業をはじめて、女性として悩んだこと
最後に、せっかくなので女性目線で、林業はじめてみて悩んだことをまとめておこうと思います。
林業道具のサイズがどれも大きい
私は身長164cmで、足のサイズが23.5cmほど。
最初に悩んだこととしては、チェーンソーブーツのサイズがない!!!
多くは25cm,26cmくらいからのサイズの取り揃えが多く、それ以下だと選択肢がガッと狭くなり、これには意外と悩まされました。
結局、現在はSIP PROTECTIONのチェーンソーブーツを使用しています。
チェーンソーのエンジンがかからない
林業をはじめて半年ほどは、この悩みにしばらく悩まされました。
だって、林業ってチェーンソーあって進む作業ばかり。
伐木、造材…。
チェーンソーのエンジンをかけられないということは、そういった作業を進められないので、生産の効率も悪くなってしまいます。
ちなみに使っているチェーンソーはこちら。
排気量が小さいチェーンソーにすれば、エンジンもかけやすかったりするので、自分に合ったチェーンソーを選ぶことも大事なこと。
半年なんとか、いざというときには夫に申し訳なく頼んでエンジンをかけてもらいながら、自力でできそうなときは修行のようにエンジンをかけ続けた結果、今は自分で問題なくかけられるようになりました。
腕力もそうですが、普段使わない筋肉を使うことが増えるので、最初は私と同様の悩みを抱く林業をする女性は少なくないようです。
しかし、諦めなければいずれはかけられるようになります。
その日まで、泣きそうになる時もありますが、がんばってくださいね。
いろいろあるけど、やりがいのある「林業」
女性ならではの切り口で、あれこれ林業について書いてみました。
林業をする女性の人口も増えつつあり、夫婦でYouTubeで林業について発信をしていると、女性から質問を受けることもでてきました。
体力派の女性ももちろんいるかと思いますが、そうでない女性もいる中で、だけれども林業をやりたいと思う場合、自分に合ったやり方をみつければ、決して無理なことではありません。
所属する林業会社など事業体にもよりますが、自分に合った団体を選ぶのも大事なことのひとつ。
女性ならではの林業の働き方、私もこれからまだまだですが、少しずつ見つけていきたいと思います。